Dr.ピペリジンのブログ

少年は思った、ドラッグストア でポテチ売りたいな。そんな気持ちで薬学に進学した人の後日談。お問い合わせも気軽にどうぞ。

11月22日は良い夫婦の日で喧嘩も仲直り

どうも伊予柑です。

 

2週間ぶりの更新になります。

 

先々週の土曜日はお嫁さんの友達が家に遊びに来たり、日曜はオックスフォードのポスドク仲間と久しぶりに会ったりなどであっという間に過ぎていきました。

 

先週は土曜日に割と大きめの夫婦喧嘩などしまして、もうブログどころではありませんでした。まぁきっかけ?は些細なことですかね、土曜日の昼に研究室を14時前に帰る予定とラインしたけど結局帰りは14時17分になってしまって、家に着いたら妻も子供も家にはおらず「いつ帰ってくるかわからないから出掛けた」とラインが一言。

 

そうかぁと思い家で休憩していると30分くらいで妻が帰宅、顔が明らかにムスッとしてるので「怒ってる?」と尋ねると「帰る帰る詐欺はもういいよ」と一言だけ言って息子を僕に預けてベッドでふて寝。

 

いや。。。うん。。。僕も月〜土で働いて家事もできる限り協力して、土曜は急いで実験切り上げて帰ってきてこの仕打ちは流石にキツいということで、とにかく息子の世話を一人でやってたら5時?くらいに妻がベッドから起きてきたので、僕もかなり頭にきてしまっていたので今度は僕が息子を預けてベッドに。

 

そのあとは妻が晩御飯のおでんを準備してくれてほとんど会話もなく食事、僕が先に食べ終わったので息子をお風呂に入れる。風呂のあとは息子を妻に任せて僕はベッドへ。

 

あまりよく覚えてないけど日曜は朝から言葉少なめで晩御飯の残りを食べて、妻が体調悪いと言ってベッドで寝てたので僕が食器洗いと洗濯なんかを一通りやって子供を抱っこしていたら、食器洗いの時におでんに入っていた昆布を捨ててしまったことに妻激怒。

 

妻「なんで昆布捨ててるの?食べれるのに?もったいない」

 

僕「なんでも聞かないとわからないの?って文句言われるから聞かなかった」

*前日にオムツ補充でオムツどこにあるか聞いたらそう言ってキレられたので

 

妻「もうほんとイライラする」

 

と言って妻は一人で財布持って家から出て行く。

 

家に残された僕はその間ずっと息子を抱っこしたまま。

 

しばらくすると自分の分だけの昼ごはんを買ってきた妻が帰宅。

 

僕ももう相当に疲れたので昼ごはん食べてる途中で息子を妻に預けて僕はベッドに。

息子も朝からずっと僕の抱っこだったのでお母さんに抱っこしてもらいたそうだった。

 

僕はそのまま昼ごはんも食べずにふて寝。

 

今度は妻が息子の世話をして、散歩に行ってくるって言うから僕も起きて一緒に行くことにした。

 

僕「日曜しか散歩行けないから行くよ」

 

妻「そう。。。どうすれば仲直りできるかな」

 

僕「どうだろうね」

 

まぁそんなこんなで息子を連れて散歩しながら、色々話しているうちに僕のイライラは治った。妻もイライラは治った。多分?

 

1週間、息子の相手するだけでキツいのに土曜すらいつ帰ってくるか分からないのは精神的に堪えるようで、それで怒っちゃったみたい。

 

息子が無事7ヶ月になってから、離乳食も一日2回に増えて、しかもうちの息子は離乳食タイムがすごく苦手で食べない暴れる号泣などするためこれを平日は一人でやっていると考えると妻は精神的にギリギリだよね。

 

僕は日曜日に離乳食の手伝いをするのだけど、まぁ食べてくれないと普通にツライ。

 

僕の言い分としては、平日朝はオムツかえ、洗濯、ゴミ捨て、時間があれば離乳食の温めやってから出勤、帰る時間を意識しながら実験して19時〜19時30分には帰宅、晩御飯が出来ていればささっと済ませて息子のお風呂、食器洗い、息子が夜中だいたい寝ぼけて起き上がるので抱っこして寝かしつけ、っていうのを月〜金やって、土曜はなるべく早く帰れるように実験を切り上げて15時を超えないように帰宅して、明らかに機嫌のよろしくない妻に「帰る帰る詐欺」とか言われると、それはツライって話。しかも実験が今は中々上手くいかない。

 

まぁそんなわけで久しぶり?の大きめの夫婦喧嘩でしたが、息子のお散歩で無事仲直りして、11月22日の良い夫婦の日は18時59分に研究室を出て、出前寿司を頼んでお祝いしました!

 

うーむ、しかし妻にキレられながら土曜日研究するのってやっぱり何だかなぁと思う部分はあるよね。給料もなしだし。てか土曜出勤してるのに平日休むと有給消費っておかしいんだよな。今はまだ給料が5〇〇を超えてるからまぁ良いけど前の職場はそれで4〇〇とかだったから、そんなんまじくそUnchi でしょ。舐めるな!

 

まあとにかく無事に仲直りできたのでめでたしめでたし。

 

あそうそう、読者の皆さんは不斉反応の開発やったことありますか。今やってるのが不斉反応の開発で目標は90% eeを超えること。全合成込みでの反応だから僕的には80% eeで再結晶で良いんじゃねと思わなくもないけどボッスの駄々っ子で90% eeという値に設定されてしまった。(論文化も考えてどこかで落とし所かなって感じ)

 

さて不斉反応ですが、これが中々に曲者でして、収率が良くてもee(エナンチオ過剰率)が低いとダメで、eeがよくて収率が悪くてもダメで、極め付けは収率は80%で良い印象なのにeeになると80% eeでは微妙な空気になるっていう。

 

eeについて詳しくない人のためにすこーしだけ書かせていただくと、化合物には同じ組成と結合を持ってるのに、結合の向きが逆のために重なり合わない二つの組み合わせがありまして、これをエナンチオマーと呼ぶのです。初学でよく例えられるのが手🖐の右手と左手なんですね。どちらも手のひら、手の甲、親指、人差し指、中指、薬指、小指という同じパーツからなってるんですが、どちらもどー頑張っても同じ向きでは重ならないでしょう。指を合わせると手のひらの向きが逆、手のひらの向きを合わせると、今度は指の向きが逆になりますね。

 

分子にも似たような状態になることがあって、この性質をキラリティーと言いまして、キラリティーを示すひと組の分子同士を互いにエナンチオマーと呼びます。それぞれR体とかS体とか言う風に呼ばれる。

 

それでまぁ、その二つのエナンチオマーが普通の化学反応で合成した場合はコイントスのように1:1で出来てしまうのです。つまり0% eeなんですが、これは反応を一工夫してやると片方だけが多めにできるようになります。そういう反応を不斉反応と呼んでいて、今年のノーベル化学賞は「不斉有機触媒の開発」でドンピシャ今やってる分野なんです。

 

何だか長くなってしまいましたが、要するに不斉反応で90% eeを出すためには、片方のエナンチオマーが多くできる比率が95:5にする必要があるので、これは中々大変です。

 

(論文ではキラルプールでenantioselectiveと言ったり、キラル分割でenantioselectiveと言ったりと言葉の定義は意外と曖昧な印象なんですが)

 

しかもなんかあんまりこうやれば比率が上がる、みたいな明確なアイデアがない(センスか知識がないだけかも)から色々やってみるしかないっていうので毎日ロボットのように実験して、ee測定して80% eeでがっかりして帰宅してっての繰り返して、土曜に妻からキレらるとツライよーって話でした。

 

妻と息子と三人で暮らして色々すごい大変で喧嘩もするけど、それでも楽しいこともすごいたくさんあって、それで子供の将来が楽しみっていうオマケまでついてくるから、なんだかんだ夫婦って良いよねっていう良い夫婦の日の会話で今日は締めくくらせていただきます。