Dr.ピペリジンのブログ

少年は思った、ドラッグストア でポテチ売りたいな。そんな気持ちで薬学に進学した人の後日談。お問い合わせも気軽にどうぞ。

研究と不安とプレッシャーと就活と国家試験の助言と【再掲】

 どうも、今年が始まってはや1ヶ月が過ぎました。皆さまは如何お過ごしでしょうか。 

 

僕はイギリスに来て1年と7ヶ月が過ぎ、論文に成果をまとめるまではまだまだ遠い状況に焦りつつ、全工程数20段階超(予定)の全合成という、今までに挑戦したことのない未知の領域に入り、研究を終わらせられるのかという不安はもちろんプレッシャーを感じずには居られない状態です。

 

今年になってやっと最初の12段階のルートが確立でき、各段階の収率は概ね良好と行ったところで最初のステップから20gで量上げを開始しました。

 

今日は土曜日でしたが、水添でベンジル基を脱保護してアミンをトシル化する為に研究室に足を運んだのですが、ここで事件。

 

研究室に行ったら水素ガスを充填したバルーンが完全にしぼんでおりました。

 

反応溶液をパスツールで一部とり、セライトでピペット濾過をしてNMRを確認。

 

うぅ、原料が残ってやがる、10%くらい。今日はトシル化は諦めて水素を改めて充填して反応を放置して来ましたとさ。

 

まぁ先は長いし慌てなーい、慌てない(一休さん)。

※このネタを研究室の阪大からきた博士課程の子に言ったら「一休さんは知ってますけどそのネタは知らんすわ」と言われました。ほんとジェネレーションギャップよね。

 

 

水添に関するマニアックな話。

水素添加反応:その名の通り化合物に水素を付加する反応。アルケンをアルカンにしたり、アルキンをアルカンまで還元したりアルケンで止めたり、ベンジル基を取り除いたりと色々活躍する反応である。通称、水添。

 

接触還元:不均一系触媒(Pd/C、PtOなど)を用いる水添反応を指す。均一系触媒(Wilkinson触媒やCrabtree触媒が有名)を使った水添反応は接触還元とは言わない。つまり、より厳密に実験内容を示すには接触還元と言った方が良い。

 

 

ここで面白いのが学会発表。

 接触還元の実験を薬学部ではよく水添、水添と言うが理学部ではきちんと接触還元と言う。薬学部では出来たモノに興味があるのであってそれが不均一系触媒によるものなのか均一系触媒によって出来たのか、その過程は重要ではないのだ。しかし理学部は違う。理学部ではどうやってそれが出来たかを大事にするのできちんと接触還元と言うのだ。ちょっと興味があったら学会で接触還元をなんて発表するか耳を傾けると面白いかもしれない。

 

 

 

 

そして今年待ち受けるのは、2020年以降のポジション確保のための就活。

 

オックスフォードの研究が論文になる➡️就活ちょっと楽しみ

 

オックスフォードの研究が論文にできない➡︎就活やばい

 

という事ぐらいは能天気な私でも容易に想像がつくであります。

 

 

しかしですね、人は乗り越えた困難の数だけ大きくなれるのです。

 

そう、だから最近体重ばかり増えてしまって。。。orz

 

 

2月と言えば薬剤師国家試験の時期ですね(唐突)。

 

 

僕のブログを読んで下さっている(と思われる)薬学部の諸君に向けて少し国家試験前のお話しを思い出しながらしますね。

 

まず1月末にインフルエンザにかかりました苦笑。

 

予防摂取までしたのにー。

 

インフルで国試前最後の模試(自信をつける為かそれ以前の模試よりは点数が取れるとウワサのやつ)が受けれませんでした。1月は相当気合い入れて一年の中でベストの状態だったので何点取れるか楽しみだっただけに残念。

 

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(こんなことFacebookで呟く暇があれば勉強しましょう)

 

 

そんなこんなで2月に入り、無事インフルも治りこれで国試当日にインフルになる心配はなくなったぜなんてポジティブに捉える事にして、最後の卒業試験があって無事卒業が決定して、国試まで残り3週間で講義もないので大学院のある熊本大学に遊びに行ったりしてました。

 

そこで熊本大学の先生に「国試きちんと受かってから来いよ」と言われ、一週間最後の追い上げに気合いが入ったのを覚えてます。

 

そして迎える国試前夜。

 

うむ、もちろんあんま眠れないよね。

 

万全の体調でテストに臨むって言うけどさ、それ自体が難しいんだなこれが。

 

だからみんなもまぁ国試の日は体調はイマイチだろうけど、そう言うもんだと思っておいた方が気が楽だぜ。

 

あんまり眠れなかったから朝6時からイヤホンつけて大学の周りを散歩しました。

 

聞いていた曲はと言うと。。。

 

Bonnie Tyler の I need a hero をひたすらエンドレス。

 

これ、相当テンション上がるからオススメ。決戦に向かう感じ、まじオススメ。

 

 そして二日間に渡る国家試験が終わり、自己採点。

 

うむ、もちろん問題ない点数(得点率9割弱)だったが薬剤が一番悪かったぞい。

次は法規だったね、人間が決めたルールをひたすらに覚えるのはかなり大変である。

 

僕は薬剤の先生が苦手だったので確かに勉強も感情的になって他に比べて不十分だったなと反省。

 

だからこのブログを読んだ国試前の諸君は2月は自分の苦手な先生の教科を勉強するといいぞ。これ絶対。

 

と言う事で、これから卒業試験があったり国試が控えている人は頑張ってください。

 

 

※小言

なんでBonnie Tyler の I need a hero なんて曲を聞いていたかって言うと直前にやっていたゲームがたまたまSaints Row 3だったから(ラストミッションの曲がI need a hero)。

2022年2月追記:
イギリスの成果は論文になりました!
乗り越えた苦労の数だけ大きくなる、最近は体重だけでなく白髪も。。。非情なり。
国試前だから再アップしてみました!