Dr.ピペリジンのブログ

少年は思った、ドラッグストア でポテチ売りたいな。そんな気持ちで薬学に進学した人の後日談。お問い合わせも気軽にどうぞ。

長期間の自宅待機は自分を見つめ直すチャンスかもしれない

 どうも、Dr.ピペリジンです。

 

引きこもり大好き人間の私ですが、早速ながら自宅待機、飽きてきました。

 

学部、大学院の時の最大の至福の時間と言うのが日曜日に引きこもってゲームすること、映画を観ることだったんですけど、これってやはりと言ってはなんですけど、月〜土曜日、大学に通って、からの日曜日だったからこそ至福に感じたのでしょうね。毎日、買い物以外の外出を制限されると、本当に気が滅入るものです。

 

子供部屋おじさん、なんて揶揄してる人いますけど、あれはあれで相当な才能なんだと思います。ただその才能は残念ながら資本主義の現代において評価されてないと言うだけで。

 

さて、これだけ時間があると自分の生き方を見つめ直すチャンス、とも言えると思うんですよね。ただし、自宅で出来ることに限られるんですけど。例えば今何かを初めなければ、今後、それを始めるチャンスはほぼないとも言えます。そして、何かを始めなければ、と言う焦燥感がまた、げっそりと気を滅入る原因になってたりします。

 

だから、なんだかわからないけど気が滅入るので、とりあえず気持ちの整理でブログを書きます。

 

自分はなんなのだろうか。

 

研究者。有機化学者。少なくともあと3年は有機化学者。

 

博士号をとってイギリスにきた。ポスドク 、任期は3年あった。それもあと3ヶ月。

次は特任助教。次の任期は3年半。無事、3年半の任期を終えることが出来るのか、次は常勤の講師か准教授になれるのか。それはわからない。

 

自分はアカデミックに残れる実力はあるのか?

 

僕が博士号をとった大学院の教授からは研究能力は十分だろうと言われた。マネジメント能力は不明あるいは少し不足、助教で伸ばすべしと。

 

最近、少し理解したことがある。

 

それは研究能力について。

 

 

研究能力とは、大きく三つのベクトルがある。

 

1、遂行力

 当たり前だけど、教授と考えた(あるいは単に教授のアイデアの)研究計画をきちんと遂行する能力。当然だけど、自分の研究の最も重要な部分はいくら文献リサーチをかけても出てこない。最低限の基礎知識は必須。これなしに博士号修得は難しい。アドバンスの知識は役に立つことは多いが足を引っ張ることもあるかもしれない。馬力。やってやる!と言う馬力も必要になってくる。馬力は基礎体力、メンタル、それから興味が大きく関係している。知識と馬力、これの合わせ値がつまり研究遂行能力だろう。

 

2、マネジメント能力

 これは研究遂行力とは全く別の能力。アカデミックで”活躍している”人は、少なくともこの能力が突出している。要するに、自分の研究をどの程度のクオリティで、どのジャーナルに投稿するかと言うこと。僕はこの部分は学部、大学院、ある意味ポスドクも教授の判断に丸投げしている。マネジメント能力の判断基準は分野にもよるが論文を年1報出しているかどうか。これは有機化学の分野ではある意味スタンダードに感じる。環境で大きく左右されるといえばその通りなのだが、”活躍している”人は年3報以上書いている。当然その中には当たり論文(高IF)が含まれる。ちなみに僕の大学院の先生はポスドク 時代3年で9報出している。

 

3、執筆力

 当たり前の当たり前、研究費を獲得するのに文章を書かなけりゃならない。大学院、ポスドクと結構たくさん文章は書いたが、大学の先生になるとおそらく僕が今までに書いた全ての書類に匹敵する量を毎年書かなければならない気がする。え、もっと?まぁとにかく、自分の研究を文章にして伝えられなければ、アカデミックで生き残るのは厳しい。自分の執筆能力は、大学院の先生からは、遅いけど割と良い文章を書く、という中途半端な評価。スピードも重要だ。書類の提出期限までに文章を仕上げなくてはならない手前、どのくらいの時間をかけて文章を作成できるのか、相当重要なファクターだ。僕は文章を書くのが遅い。

 

最近は書く文章に割と自信がある(ある意味、評価されなくても自分が満足できる)文章が書けるようになってきた気がする。でもスピードは相変わらず鈍足。先週の木曜日から自宅待機で執筆を始めた論文の草稿だけど、仕上がったのは今日。デスクワークだけやって草稿を仕上げるのに1週間かかる。こんなスピードで大丈夫なんだろうか。

 

ただ書いた草稿は、自分は読んでうっとり出来る。多分それはアカデミックの研究者に求められる資質な気がする。ただバカなのかもしれない、だけど、自分の文章にうっとり出来るようになったのってポスドクになってからだなぁ。

 

博士過程の時は自分に自信が全くなかったから、書いた文章も不安で不安で仕方なかった。ポスドクと博士課程で変わったことは英語力くらいなものだろうけど、文章に対する自信ではなくてある意味、横柄さというのが身についたんじゃないか。ただそれだけな気がする。

 

以上、遂行力、マネジメント力、執筆力の三つだ。

 

この三つ、少なくとも全てが一定以上ないとアカデミックでは生き残れないでしょうね。

裏ステータスとして社交性も加えておこうか。社交性が能力振り切ってて助教やってる僕の友人がいるので、社交性って洒落にならないほど重要だね。僕もとある薬学会の接待飲み会の幹事を(当時は状況はよくわからずに)引き受けて、結局それは(多分)今のポジションのプラスに働いていると思う。そして、博士3年の時に国内留学の話があって、行っても行かなくても良かったのだけど相当迷ったけど結局国内留学して、それが次のポジションに関係している。

 

あれ、本当はこんな難しい話するつもりではなくて、自宅待機の間にyoutubeのスキルとか磨いた方が良いんじゃないかっていう適当な話書くつもりがなんやアカデミックの話になってしもた。アカデミックやめて当面は薬剤師しながらブログ、youtubeのスキルを磨くってのは今後の生き方の一つかも〜なんて考えてしまいます。まぁそんなに甘くないんでしょうね、どこ行っても。あ、今日もちろんワインは飲んでる。

 

今日もイタリア産、DOCラベルの白ワイン。

このワイン美味しすぎてブログ書きながらずっと飲んでる。

美味しすぎて一気に半分開けてしもーた。

口の中に白葡萄が弾けるうまさ。

ワインショップで見かけたら迷わず買ってみて!!!

 

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