イギリスで外出禁止命令、パンデミックのスピード感と恐怖感
コロナが今まさに世界へと拡がっています。私の職場も例外ではなく今週の月曜から研究所が閉鎖されてしまいました。大学は先週月曜から閉鎖、関連施設は先週の木曜から閉鎖と日に日にコロナ対策の体制が強化されて行きました。3月中旬に大学生からコロナが検出され、次に職場の同じフロアの学生がコロナ症状を発症、連絡を受けただけでも4人が一つの研究室で発症している状況です。ヨーロッパはもちろん世界中から学生、研究者が集まる場所なので大学は今かなり深刻な状況です。
1月下旬、私を含めイギリスの多くの学生はコロナのニュースを聞いて感じていたでしょう。
中国ヤベーな、と。
2月に入り日本での感染拡大、ダイヤモンドプリンセス号船内での感染、隔離。
日本、大丈夫かよ。しっかりしろよ。
この時点でイギリスに住む人達は多くの人が状況を楽観視していたに違いありません。
2月下旬、イタリアでコロナが拡大していると言うニュース。
恐怖はこの時から、すぐそこに迫っていたのです。
3月に入りました。
僕の職場の学生たちも「はーん、あいつイタリアから検疫なしで大学通ってるらしーぜ」みたいな冗談混じりの会話をしていました。
学生たちがしきりにQuarantine Quarantine といっていたのをよく覚えています。(Quarantine = 検疫)
事態が急変したのは3月中旬の大学からのオフィシャルなメール。
6人の学生の体からコロナウィルスが検出されました。
大学は今週で閉鎖、来週以降に予定している試験は直ちに延期か中止。学部生は実家に帰省せよ、と言う命令。
それ以降は研究所の所長から、研究所を閉鎖するかもしれないから新しい実験の禁止、リモートワークの推奨と言うメールが一日おきくらいに届くようになった。教授も自宅待機したい人は研究室に来なくて良いと言う。
あれ、これはひょっとしてヤバいんじゃないか、と現実味を帯びたのは先週、3月18日の水曜日だ。
研究室のグループチャットで、同じフロアの別の研究室の学生が4人、コロナ症状でダウンしていると連絡が回ってきた。また研究室のルームメイトが発症していると言うチャットもきた。結局、私は実験をやめて先週の木曜から自宅待機に切替ました。
そして3月24日、ボリスジョンソン英首相による外出禁止命令。
このスピード感、得体のしれない恐怖感、お分かりだろうか。
(いや、日本はすでに2月からそういった状況だったのだろうか。)
日本のニュースで経済的損失がとか、経済不況でコロナで死ぬより自殺者が増える、とか言う記事をチラっとみた。もしそうであるなら、これは明白な資本主義の敗北であろうと思う。
僕は元薬学部の端くれなので微生物学、公衆衛生学を勉強した時にパンデミックは常に起こる危険があり、驚異的だと言うのを文章でみていた。
しかし、しかしだ。文章でみても「あっそ」くらいの感覚でしか感じない。
だが、今回はその危機を身を以て感じている。パンデミックは恐ろしい。今、私たちは歴史的な驚異に晒されている。
可能な限り外出しない。うがい手洗いをする。食べる。よく眠る。太陽を浴びる。
できることをやりましょう。みんなで協力して。困難な状況を乗り越えましょう。
さ、真面目な話はこれくらいにして自宅待機にオススメのワインを紹介します。
イタリア産ワインには保証証的なラベルがついてます(写真上部の紺色のフィルム)。色々グレードがあるらしいですが、標準的なやつには*1と言うマークがついてます。これ、かなり美味いです。ぜひワインで悩みましたら、イタリア産のDOCのラベルがついたワインを買えば、間違いありません。まぁ彼女から聞いた話なんですけどね。本当に美味しかったからみんなに紹介したいなぁと思いました。
*1:DOC