Dr.ピペリジンのブログ

少年は思った、ドラッグストア でポテチ売りたいな。そんな気持ちで薬学に進学した人の後日談。お問い合わせも気軽にどうぞ。

偏差値35~∞まで、大学のレベルと学生について【進路のはなし】

 僕は私立薬学→地方国立→オックスフォード大学という経歴を持っています。二ヶ月ほど旧帝大にもお世話になりまして、これまでに本当にいろんなレベルの学生を見て来ました。そんな僕がそれぞれの大学について思うことを正直に書きます。これから大学進学を考えている高校生やその親御さんの参考にでもなれば幸いです。しかし忘れてはなりません。これはあくまで僕の主観です。

 

 

私立薬学(偏差値 35*)

 勉強のセンスがない人が多いです。薬学部だったので真面目に勉強に取り組む同級生や後輩は多いです。期末試験前はみんな必死になって勉強します。でも、結果が振るわない人がたくさんいます。私立薬学部でストレート卒業するような人達であれば勉強の会話はまぁまぁ通じますが、それ以外では勉強の会話は諦めてバイトとかサークルの話をした方が良いでしょう。

要注意な点

勉強ができる人は周りから勉強を教えて、ノート貸して、グループ学習は任せたなどめちゃくちゃ頼られます。そういうのが好きな人は向いているかもしれません。僕は正直一年前期でうんざりしました。期間にして4ヶ月ですね。よく大学を辞めずに踏ん張ったと思います。楽しい人はたくさんいますよ、勉強以外ではね。

 

人間観察が好きな人にとっては最高の環境ではないでしょうか。ストレート進学率は3〜4割くらいでしょうか。つまり、お勉強の会話ができる人はそれより少ないと考えておいた方が無難です。でも、実際に6年間過ごして良い先生、先輩、同級生、後輩に出会うことが出来たのも事実です。なので頭ごなしに否定は出来ませんね。とはいえ、総合的に判断して浪人してでも上を目指すことをオススメします。

 

以下、私立薬学での経験。

  例えば、僕は6年間勉強に困らなかったのですが、それを良く思わないのか攻撃的な態度をとる人がいました。尊敬してくれる人の方がたくさんいましたけどね。3年になると仲のいい友達ができ、研究室に入ってからは尊敬できる先輩方、愉快な後輩たちと出会うことができました。最終的には研究室の仲間たちと楽しい研究室生活(ブラック)を送ることができ、ここでの経験が今に繋がっていることは疑う余地がありません。世の中にはいろんな人がいるんだなって事と、全ての人と仲良くする必要はないってことを学びました。

僕は大学1、2年の頃、周りの学生と波長が合わず苦労しました。興味があればその時の記事はリンクからどうぞ。 

 

 

地方国立(偏差値 50.0*) 

 学生はみんな優秀で勉強にセンスがあります。研究への意欲は人によって大きな差があり、本当に全くやらない人もいれば、一生懸命取り組む人もいます。真面目に研究に取り組む人の方が多い一方、智への渇望とでも言いましょうか、ハングリーさが足りないです。おそらく、旧帝大生との差はこのハングリーさにあると僕は見ています。ハングリーさが足りなかったから旧帝大に行けなかったのか、旧帝大に行けなかったからハングリーさを失ったのかは人それぞれ事情があるのかもしれません。

 

地方国立での経験。

 楽しく大学院生活を送ることができました。研究においては設備面が良くなくて、大学内で必要なデータを揃えられないとか、技官がいないため、毎月、機器のメンテナンスに学生が駆り出されて時間をとられるとか、旧帝大に比べて不利だなぁと思うことがあります。私立大学よりも研究設備が悪い可能性があります。

 

また、研究に対する意欲が低い学生のゼミは残念な感じでした。博士課程でなければ研究の成果はそこまで必要ではないので、こういった窮屈な面はあまり気にせずに、のびのびと過ごすのには良いでしょう(先生からは睨まれるかもしれませんが)。

追記。
旧帝大でも研究室でのアクティビティが非常に低い学生さんがおります。研究室が大学の全てではありませんので学問を受ける側の個人の自由と言えばその通りですからその辺りは地方国立と変わらない可能性があります。

 

 

旧帝大(偏差値60.0*) 

 短期間ですが旧帝大で研究させて頂いたことがあるので書きます。言うまでもなく学生は優秀です。研究分野の専門書なら2、3冊は頭の中に入っていそうなくらい凄まじかったです。あと、みんな普通に英語がしゃべれます**(下に追記あり。外国人ポスドクと日常会話や研究のディスカッションも難なくこなします。英語力は地方国立と大きく差を感じたところです。

加えて、研究に対するハングリーさがあります。一方で、教授の方針に納得がいかず、不満を持った学生が大学院から研究室を移ったりすることが結構あります。ココで得られる人脈のスケールの大きさは、他とは違い桁外れに大きいんではないでしょうか。

 

旧帝大での経験。

 経験といっても二ヶ月だけなので、ただただ学生の優秀さと設備の良さに感動しつつ楽しく過ごさせてもらいました。とりあえず研究者を目指すには最高の環境でした。あと、専門用語でダジャレを言っても拾ってくれます。笑(地方国立では拾ってくれないか寒い方向に持っていかれる。私立薬学では何を言ってるのか理解されない宇宙言語化する)

**追記。
上の感想は僕が地方国立に所属していたときの感想です。

オックスフォードから帰ってきた我は思う。
ん、みんな普通に英語しゃべれるっていうのは間違いで相当がんばっとったんやなぁ。語彙力は高い方と思う。

 

 

オックスフォード大学化学科(偏差値たぶんすごい)

 

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(本人撮影:Chemistry Research Laboratory, University of Oxford)

 

 世界中から天才が集まって来ます。ヨーロッパ率高め。学生のやる気が半端じゃありません。それでいて皆、のびのびと過ごしています。皆、夕方の6時〜8時には帰宅します(日本の場合0時を越える事もしばしば)。それでいて研究の展開はとても早いです。研究の効率が半端じゃありません。僕にはまねできません。

 

しかし彼らに弱点?がある事を僕は知っています。

 

彼らはガラス器具の扱いがとても雑です。

試験管、三角フラスコなど、先っぽがもうバリンバリンです。

あとセロハンテープのカットも下手です。ぐちゃぐちゃです。

 

それでも研究できます。

 

天才です。

 

 

最後に

 研究者を目指すならやっぱり旧帝大か海外の有名大学が良いですね***(下に追記あり)。学部は地方国立で大学院から旧帝大に移ることもお勧めできます。過ごし易いのは地方国立でしょう。研究室のプレッシャーは旧帝大ほどではなく、地方国立と繋がりが強い企業もあり、就職状況は悪くないです。まぁ結局、レベルが低く学費が高い私立に行くメリットは小さいと思います。僕は高校時代にまともに勉強せず、成績は田舎にある自称進学校の落ちこぼれでした。自分に自身がなく浪人という選択肢は考えられず、とりあえず受かった私立薬学に進学したのですが、今なら一浪してでもそれ以上に行くことを考えます。高校の担任は僕の成績を見て、ひたすら偏差値40以下の私立文系大学を勧めてきたので無視しました。二浪は正直よくわかりません。例えば一浪して旧帝大レベルを落ちたとして、進学は地方国立で十分じゃないかなぁと思います。大学院から旧帝大に行く選択肢もあります。進路決定で重要なのは、自分で行く大学を決めたかどうかです。先生や親に言われてとりあえず進学したって人は後悔が多いみたいですよ!

 

 いろんな大学を経験して思うことは、どんな大学に行っても馬があう人は必ずいるし、大学生活を楽しくできるかどうかは自分次第ってことです!

 

 以上、大学のレベルと学生について僕が思うこと、でした。僕は理系なので文系では該当しないこともあるかと思いますけど、今日はこの辺で。高校生、それから浪人生のみなさん、自分にあった良い進路決定を!

***追記
地方国立でも素晴らしい先生がいて、その先生の研究室でしっかりと研鑽を積むというのは最高の経験でした。なんやかんや未だにお世話になってます。

 

 

*2021年現在、大学受験パスナビ(旺文社)参照 
2021年6月27日に記事を加筆修正