Dr.ピペリジンのブログ

少年は思った、ドラッグストア でポテチ売りたいな。そんな気持ちで薬学に進学した人の後日談。お問い合わせも気軽にどうぞ。

イギリスで出会ったいろんなホームレス【再掲】

どうも、伊予柑です。

 

オックスフォードで生活していると町のいたるところにホームレスがいます。

世間には勉強できる人がいます。運動できる人がいます。努力できる人がいます。

一方で努力できない人もいます。

 

どういう経緯で彼らがホームレスになったのかは知る由もありませんが、ホームレスはいるのです。

 

 

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new collegeから見えるOxford、筆者撮影

 

 

イギリスのホームレスは通行人からお布施を貰う習慣があるので人通りの多いところによくいます。

 

「Any change please」

 

と声をかけられたら「お駄賃ちょーだい」という意味なのです。

 

「Sorry, man」と一言おいて断るのが良いでしょう、無言で過ぎ去る人も多いですが。

 

断ったとしても大抵は「Thank you, have a good day」とか言ってくれたりします。一部食い気味にマジで食べるものも買えないからお金くれって言ってくる人もいます。

 

そんな訳でイギリスで生活していると、とにかくよくホームレスに絡まれます。

 

 

 今日はそんなイギリスで出会ったホームレスについて書きます。

 

 

【病院代おじさん】

とても紳士な口調で話しかけてくるおじさん。
とても丁寧な言葉で「病院にいくお金が必要なのでお金を下さい」と言われます。

 

【子供に食べさせたいお姉さん】

無言で近寄ってきてカードを見せます。「子供に食べ物を買うお金を下さい」とカードに書かれています。

 

【ATMおばさん】

ATMでお金を下ろしていると近寄って来ます。「お金ちょうだい、生活に困ってるの」と言われます。その時は機嫌がよくなかったのか、「Sorry」と断ったら「How can you Do that?」と何度も叫ばれて困りました。

 

 【お金が破れたお姉さん】

破れた10ポンド札(1400円くらい)の破片(5分の1くらい)を見せて来ます。「10ポンド破れちゃったから30ポンドちょうだい」とキツめの口調で言われます。え、30ポンド!?と、最初は要求する額に驚きましたが、10ポンド破れたから30ポンド頂戴の理論が後からじわじわ来ます。

とても寒い日で不憫に思ったので2ポンド渡したところ「30ポンドよ!30ポンド!!」と言われましたが、「いやごめん、それ以上は。。。」というと、「そう、じゃぁ貰っていくわ」と言って2ポンド持っていかれました。何だかなぁ。

 

【ベビーカーおばさん】

ベビーカーを押して、お金頂戴と言って来ます。ベビーカーに子供はいません。

 

ケバブ屋おばさん】

よくケバブの屋台の前に陣取っています。とても犬と仲良しで日中は犬と遊んでいます。「Change please」と言われて「Sorry」と断ると「Thank you, have a good night」と丁寧に返してくれます。とても好印象。屋台でケバブを買った後、お釣りをあげました。

 

ビッグイシューおじさん】

オックスフォードの中心でビッグイシューを売っているおじさん。「Hello, boss! big issue?」といつも声をかけてくれる。彼の笑顔はオックスフォードで一番素敵だ。研究がいつもbig issue の僕は Big issueを買った事はないのだけれど。

 

ビッグイシューがホームレスの支援を目的とした出版物と言うのをyoutube(日本のテレビ番組のコピー)で見た事あるけど、海外と同じ団体なんだろうかね。

 

 

ーーー

 

日本からイギリスにくるとホームレスに絡まれる頻度に驚きますが、研究で疲れきって考える力が全くない状態で「お金頂戴」と言われると、無意識に財布に手がいってしまう事があります。財布の小銭入れをひっくり返して全部あげた事もあります。社会の難しい事はわかりませんが、小銭が余っている人はホームレスにお金をあげてみてはどうでしょうか。

 

どうしてこの記事を書こうと思ったかと言うと、研究でうまく言ってほしいと願って最近ホームレスに1ポンドお布施したので書きました。実験は上手く行きませんでしたが、まぁそんなもんですわ。(→無事論文になりました)



2022年2月追記:
帰国直前(2020年6月)、事件は起こりました。
イギリスはコロナによるロックダウンの真っ最中。町中のお店というお店は閉まっており、紙の紙幣を使い切って帰国したかったが使う場所が全くない。そのままお金として持って帰ってもいいが、筆者は最後くらい街で困ってるホームレスに全部あげようと思ったのだ。特にロックダウンで観光客は愚か街を出歩く人が本当にいなくなったオックスフォードの街で、これはホームレスがヤバいのではという感情もあった。それで自分のフェアウェルの帰りに神妙な顔つきでお金くださいって言ってきたホームレスに20ポンド紙幣(約3000円)を渡した。彼はたちどころに「うっしゃぁぁパーティじゃぁぁぁ!」とでも言わんばかりに近くにいた友達(ホームレス仲間?)を呼んで肩を組んでお店に繰り出して行った。

 

 

いや元気かよ。

 

またある日、別件のフェアウェルの帰りにバス停の前で40ポンド(約6000円)を渡したたところ、本当に感謝された。バスを待ってる間少し座って話をしたりもした。そして次の日、研究室の掃除を終えて帰路についたとき、バス停の前でまた同じホームレスに遭遇した。彼は僕を見るなり「ハイ!」と大きく手を上げて近寄ってきた。めちゃフレンドリーやな、そんなことを思っていた矢先、彼がモゴモゴと何か言い始めた。よく話を聞くと、お金がなくて困ってるから40ポンドください、とのこと。

 

 

ん?????

 

昨日のお金は?

 

ごめんもうないんだって言ったら無言で去って行った。

 

なるほどホームレスにお金を上げても良いけど、一回1ポンドくらいにしておかないと、彼らには後にとっておく、のような使い方はできないのだろう。

だからホームレスなのかホームレスになったからそうなのか。。。

 

ーーー

おまけ

 

オックスフォードの教授がホームレスに絡まれて完全無視だったのはちょっと衝撃でした。本当にガン無視でした。それくらい厳しくないと競争に勝てない?とか思ったり。学生らしき女の子が寝ているホームレスにそっとお金あげてたりして感心した事もあったし、ホームレスへの対応は人それぞれだね。