高校で生物やってないけど薬学部行って大丈夫?【疑問に答えるシリーズ第3回】
このシリーズについて
僕や親が薬学部に進学する前に疑問に思った事や、ちょっとだけ不安になった事が少なからずあったので、それに答えてみようと思います。これから薬学部に進学しようと思っている人はもちろん、在学している方の参考になればと思います。
本文
第3回は高校で物理を選択した人が一度は不安になる、「高校で生物やってないけど薬学部に行っても大丈夫?」という疑問にズバリ答えようと思います。
(本人撮影:徳島文理大学ロビー展示物)
薬学部に行く前、母親から「あなた生物はやってないけど大丈夫〜?」って聞かれました。
その時僕は「さぁどうだろう?」ってな感じで適当に答えました。
そういえば大学1年の時、生化学の先生に研究しないか誘われたけど、「生物の面白さがよくわかりません」と、とても失礼な事を言って断ってしまったなぁ。今なら生化学の面白さが凄くよく分かるんだけど、、、。
さてさて、今回の疑問の答えはズバリ、
覚えることは多いけど、しっかり覚えさえすれば大丈夫、です。
僕は高校で物理を選択していたので、生物は全くやっていませんでした。
そんな僕は、入学早々に大学から出端を折られました。
入学式直後のオリエンテーションで、先生が生徒全体の知識を把握するために問題のプリントが配られました。
問題、細胞の絵を書きなさい。
はい、書きました。上手に描けたぞ幕の内弁当、なんてね。
当時は細胞膜と真ん中に核があることくらいしかわかりませんでしたが、これから勉強するから別にいーんだよ!って感じの生意気な一年生でした。
では、具体的にどう大丈夫なのか書いて行こうと思います。
1、生物は基本、暗記
覚える事はたくさんあります。ですが、覚えてしまえばきちんと点数が取れるのも事実です。試験前に自分はどれくらい時間をかければ覚えられるか、というのを把握すれば難なく単位を取れると思います。国家試験は生物、衛生(栄養や環境汚染などを扱う学問)で点を稼いで合格した!っていう人はかなり多いと思います。つまり、生物は薬学生にとっては味方みたいなものなので仲良くやりましょう。
生物の暗記のコツ
僕が生物でよくやっていた暗記のコツは、細胞が備えている器官(例えば微小管、ゴルジ体や小胞体など)は必ず存在する意味があるはずだから、その器官は細胞の維持にどう役立っているかを常に考えるようにしてました。セントラルドグマにはコレとコレとコレが必要、そうすると原核生物は最低限コレが必要だ、とか、ウイルスは宿主に寄生するからコレは必要ない、という感じに覚えました。この方法で生物を理解していれば、たとえ忘れても、考えて正解に導く事ができます。
2、薬理学が曲者
コレぞ The 薬学部という分野で、薬理学の勉強はとても楽しいです。ところが、生物系の科目の中では突出して単位を落とす人が多いのも事実。薬理学は覚えることが多く、しかも複雑です。薬の名前を覚え、作用機序(どうして薬が効くのか)を覚え、投与したらどういう反応が出るか、同じタイプの薬でもAとBの違いは何か、といった具合です。加えて新薬はどんどん増えていくのに、授業では「コレは現在はほとんど使われてません」といった薬も覚えなくてはなりません。
ワンポイントアドバイス
特に心臓、血管系の薬理学はとてもややこしいので覚悟して授業に臨みましょう。
3、生物系の研究室はキツいの?
生物系の研究室には、薬理学、病態生理学、微生物学、生化学、衛生化学などがあります。僕の出身大学では微生物学ではウェルシュ菌の研究、生化学はインフルエンザのタンパクの結晶化、衛生化学では亜鉛の毒性のメカニズムなどの研究で有名でした。僕は有機化学出身なので詳しいことは書けませんが、聞いた話では有機化学系に比べて拘束時間はやや短いようです。研究室の先輩に直接聞くと良いでしょう。
まとめ
高校の生物をやっていない人は、薬学部に入った後からでも何とかなります。しっかり勉強すれば、国家試験では生物系と公衆衛生が特に高得点を稼ぎやすいでしょう(年度によってバラツキあり)。しかし、薬理学は要注意です。薬理学の授業は気合いを入れて臨みましょう。
高校で生物やってなくても大丈夫!ということで今回は終わりにします。
第4回はタイトル未定。
ということで、当ブログでは〇〇だけど薬学部行って大丈夫?のネタを募集したいと思います。ぜひ、疑問に思うことがあればコメント欄に書いて下さいね。(もちろん薬学以外の疑問でも大歓迎です。)